Columns

  1. HOME
  2. ブログ
  3. セッション記録
  4. 消えては刻まれ

消えては刻まれ

肌に残る傷跡は、ただの痕ではない。傷跡は、私との時間の凝縮であり、感覚の残響であり、香りを呼び覚ます鍵である。そして、紛れもなく私の足元に傅いていたという現実を思い出させるもの。私との会えない時間、かけがえの無い記憶だけが、満たされない被虐心の隙間を埋めてくれる。
消えては刻まれ…を繰り返す“奴隷の証”。そんな証を求め続けるマゾとのセッション記録。

前回私が残してあげた奴隷の証はまだ紫色に残っている。マゾは内腿を両手で撫でながら、もうほとんど痛みがなくなってしまったと寂しそうに呟く。そしてピシッと揃えた両手を床つけながら、私への想いを一生懸命に言葉にしようともがくマゾ。
「あの、もう本当にどうなっても良くて、あの、星名様のお側にいられるように調教を、おねがいいします…」

彼が言いたいことは、要はこうでしょう。
傷を見るたび私とのセッションを思い出すという事。傷が薄くなることがとても寂しいという事。もっと私の色に染まってしまいたいという事。支配を通して気持ちを通わせあう事ができるのなら、どうにでもなっていいという事。そんな気持ちを伝えようにも、言葉はつまってしまう。

日ごとに薄れてゆく証を見るたび、切ない気持ちが押し寄せる。鋭く走った痛みも、熱を帯びた余韻も、諸事万端の波に紛れ、次第にかき消されていく。目を閉じれば思い出せるはずなのに、身体には何も残されていない。現実だったものが夢だったのかのように。消えてしまった身体の証は、心の奥深くに形を変えて刻まれ、ただ妄想のように膨らむばかり。傷跡を消してしまう時間の波が残してゆくのは、私の支配にもっと染まってしまいたいという渇望のみ…。
マゾは、下手くそな一言しか発していないのに、お前の思いを汲み取る私の空気読み力、すごいでしょう?(笑)

彼は自分の中で溢れ出る欲望をうまく整理できずに、幾度となく葛藤している。それでも一生懸命に言葉にしようと踠きながらも、常に迷いのない瞳を向けてくれる。そんな健気なマゾに行う調教はもう決まっている。

私にされるがまま、柱に縛りつけられたマゾ。お前が逃げないことくらいわかっているけれど、こうやって拘束されると、もう自由はないのだと改めて実感することでしょう。
お前に証を残すために、新しい鞭をたくさん用意した。新しい鞭の音色を知りたくて試しにベットを叩いてみたのだけれど、実際に肉体を叩いた時の音色はやはり違う。いろんな鞭を次々試し撃ちして、音色を聴かせてもらう。

振り上げると、フッと軽やかな音を奏でる乗馬鞭。そのまま思い切り内股へ打ちつける。強烈な痛みが、内股どころではなく全身を駆け巡る。私から見れば、乗馬鞭の奏でる音と、続けざまに気持ちの良いマゾの大きな叫び。ああ…堪らなく爽快!

私のお気に入りは、クリスタルケイン。マゾにとっても一番のお気に入りだそう。私の笑顔が見れるから。この硬いケインで優しく身体をなぞってみただけでも理解することでしょう。これを思い切り打ち付けたらどうなるか。まず甲高い声でマゾが叫ぶでしょう。そして、たった一発だけにも関わらず、皮膚の中にナメクジでも宿したかのように皮膚も反応してくれる。

面と向かってお腹に目掛けて一本鞭を振る。私の笑顔を見ながら鞭をいただけるのは至高のご褒美でしょう。じゃあこんなのはどう?とふたつの角が生えた黒い器具を取り出す。何をされるか分からないマゾを横目に、二つの角をお腹に当てがい、スイッチを押す。と同時に身体をのけぞり、叫ぶマゾ。いきなり全身を駆け巡る電流に驚いたのでしょう。柱に結びつけられている両手両足を必死に動かし、柱の裏側に隠れようと必死なマゾ。裏側に隠れたって無駄でしょう(笑)私も回り込んで、もう一度お腹に電流を当てる。うぅ!と控えめな叫び声を上げるマゾ。電気責めの道具だと分かってから受けると、比較的冷静に受け止められるらしい。それでも、はあはあ息を漏らすマゾ。微笑みを向けてあげると、マゾも笑顔を向けてくれる。なんだ、もっと欲しそうじゃない。

次はさらなる拘束を。

まずは後手に縛る。縄を素早く捌き、縛り上げている最中、「もう、どうなっちゃうんでしょう」そう唐突に、幸せとも、不安とも取れる気持ちを言葉にするマゾ。セッションを重ねていくうちに、今まで知らなかった気持ちを知って、初めての感覚に戸惑う気持ちが生まれた。この先自分がどうなってしまうのか、分からない。それでも、私に引っ張られるまま、このまま突き進ませて欲しいのでしょう?「大丈夫、このままでいいじゃない!」そうマゾを鼓舞する。そんな私の甘い言葉の誘惑。アブない薬は中毒になり、求め続けるように私の支配はこわ〜いものね。マゾは、内腿に残った証を嬉しそうに眺め、「腿に残ってる証は自分からも見えやすいから嬉しいです」と続ける。お尻とか背中に残るよりも、自分の目で確認できる身体の前面にある方が嬉しいらしい。とても嬉しい言葉。

あっという間にマゾを縄で閉じ込める。縄を絡ませ、オリオン座を作ってあげた。鞭で赤くなった足は閉じることも開くこともできない。そんな弱い足に、電流をまた当ててみるとダルマのように転がる。ふくらはぎを思い切り噛むと、今日イチの叫び声をあげる。噛みちぎるかのようにさらに強めると、もはや声にならない様子のマゾ。しっかりと噛み跡が残り、私の笑顔を見てまた嬉しそう。

そして、いつものまったりコーヒータイム。セッションが終わると、せっせとコーヒーを入れてスタンバイしてくれる(笑)今回は見た目がとても可愛いゼリーのお土産。自宅へも持ち帰って冷やしていただいたけれど、どれも絶品で美味しかった。いつもお土産はブログを書きながらいただいているのだけれど、とても幸せな気持ちになる。セッション後にまで気を配ってくれるのが嬉しいわ。いつも楽しい時間をありがとう。


今日は紫のラメでキラキラしたエナメルボンデージ。アクセサリーもキラキラしたもの。
段々と暖かくなってきたので春服を着れておしゃれが楽しい。

関連記事