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毒は毒を以て制す。在宅ワーク奴隷の快楽管理


欲望に抗えず、気づけば指が彷徨う。日に何度も求めずにはいられない。抑えようとすればするほど、火照りは増していく。以前はまだ理性のブレーキが働いていた。けれど、在宅ワークになってからは誰の視線もない。静まり返った部屋、閉ざされた空間。自由と引き換えに、彼は完全に自分の衝動に支配されてしまった。
仕事の合間、ふとした瞬間に熱がこみ上げる。気をそらそうとするほど、意識は敏感にそこへ向かってしまう。歯止めはもう効かない。満足を未だ知らない欲望は、彼の意志とは関係なく、何度でもその渦へと引きずり込んでいく––。

性への依存のため、1日に8回ほど自分でしてしまう。おまけに在宅ワークになったために、歯止めが効かなくなってしまった。そんなマゾとのセッションの話。

私は通常、当日予約は受けないのですが、たまたま事前予約してくれたマゾとのセッションが終わった帰り道、突然一通のメールが届いた。簡単な挨拶と、ずっと気になって会ってみたいと思っていたこと、勇気を出して連絡させていただいたとの文面。この程度の薄味の文面なら、本来ならスルーしてしまうのですが、なんだか会ってあげなくちゃダメなような、ただならぬ気持ちを感じて、急遽セッションを受けることにしました。


部屋の扉を開けると、特に変わった様子はない。ただ、どこか空気が違う気がした。わずかに熱を帯びたような、静かに揺れるような感覚。「今日は急に連絡してきたけれど、どうしたの?」そう尋ねると、お前は首を軽く傾ける。「特には…。でも、実は、前から気になっていて」と言葉を濁しながら、私をじっと見つめていた。そして、続ける。過去出演したYouTubeで私の姿を見て、興味を持ったのだということ。どこまでこの世界に浸れるのか、どんな刺激に耐えられるのか、まだ何も分からない。けれど、支配されることや叱られることに惹かれ、ここへやってきたという。
その瞳の奥にあるのは、不安と期待。そして、自分でまだ言語化できず語ることができない心の隙間がある。おそらく、ほとんどの人が解さない、お前の期待や幻想を理解し、現実に変えてあげるのが私の役目なのでしょう。

シャワーから出てきたお前は、初心者マゾあるある、とりあえず私の元へやってきて、「あ、お願いしまーっす」とマイナス100億点の挨拶を投げつけてくる。当然そんなゴミなんて、拾って返してあげる必要はない。まずは1から教える。「私から間合いを取って。」わからず戸惑うマゾ。一向に私と視線が合わない。当然、私は見つめるのは遠くの床、一点。「私の視界に入ってきなさい」そう答えを言うと、私の視界を追いかけ、私が見下げる床へと四つん這いで入ってくる。そして、こともなげに正座をしてみる。
それでも私とは目が合わない。緊張で震えながらも手元の指は5本きっちり揃って、ちょこんと太ももの上に置かれていた。
「両手を床につけて、頭を下げなさい」
命令通り、床に手をつけて、ゆっくり頭を下げて行く。もう少して床に頭がつく、その手前。上目遣いでキラキラしたお前の欲望に満ちた目とピントが合った。
「そう、よくできた。これだけの距離離れて、土下座をしないと私と目を合わせることもできないんだよ。」
きっと想像もしなかったでしょう。奴隷になる難しさ。この程度の訓練を単なる叱責と捉えているうちは奴隷になれない。
「さて、挨拶のやり直しをして頂戴。まずは私の名前を呼んで」
心では何度も呼んでいたはずの私の名前。声に出すのは、そりゃあ、これが初めてでしょう。
『ほ、ほしなじょうおうさま…!』
そう呼んだ時、ああ、この言葉ついに言ってしまった、そんなガッカリとも、期待とも、恥ずかしさとも呼べる感情が浮かび上がったことでしょう。『もう、助けてくれ!』というような言葉が聞こえてきそう。屈服も服従も入り混じる気持ち。お前にとって、きっと初めての感覚。そしてようやく理解したことでしょう。初めに投げつけた言葉が、いかに場違いだったか。私の前でのご挨拶は、どなたへ向けて、どんな気持ちを込めて、自分の願いを届けるのか、それを大事にしなさい。私の名前を呼べたマゾへ、次の教育をしてあげる。
「じゃあ、私に何を“お願い”しようか。お前は私と会うのが初めてだし、“星名様好みの奴隷に変えていただけませんでしょうか”、とかが良いんじゃない?」
すかさずうなづくマゾ。うなづくだけじゃなく、言葉でキャッチボールを続けなさい。
『ほ、星名さま好みの奴隷に、僕を変えていただきたい、です…。』
そう拙く想いを伝えてくれたマゾ。私の言う事をそのまま聞いただけの、ただの操り人形?いいえ。私がお前の思い、“言葉で言えないから汲み取ってほしい”と一生懸命に目で伝えてきたのだから。その気持ちを、私が言語化して代弁してあげたまで。なんなら私の方が操られてあげてるじゃない。けれど、未だ指一本も触れてもらえてもいないのに、自分の心を汲まれ、私の支配を感じているお前。私に興味を片鱗を持ってさえいれば、支配は容易い。

私のセッションは、まずは人間同士の付き合いである。取引先に対して初めと同じような態度を取る?面接をするときに適当な挨拶をしながら入室する?当然しない。立派な人間としての態度で取り繕っているはずでしょう。なのに私の前では気が緩んでしまうのはなぜ?

––扉を開けたら、現実とは一変。待ちに待った、艶々なボンテージを着た私がいる。何度も妄想した姿。それを見て、緊張も期待も欲望も全てMAX。しっぽが渾身の力で振り回され、お前の人間の皮を突き破ろうとする。そして思わず、人間性を失った言葉、ゴミを投げつけてしまう…––

嗚呼、悲しき男どものしっぽよ。お前の欲望を肯定されたければ、許可が降りるまで、しっぽを制御し、人間を皮を被り続けなさい!
叱られたいと言っていたマゾへ追い討ちで、今になってテキスト言葉責め。笑

締めくくれば、私のセッションの面白さは、マゾと私の知性に依存している。高い人間性を持ちインテリジェンスな人間が、倒錯した世界でどれほど変態的な行為を貪ることができるのか。その狂った変わり映えが面白い!そして、変わり映えのストッパーになるのが、知性(ちせい)。私の名前の由来でもある。私のストッパーを突破できるやつだけが、私との修行を楽しめるでしょう。
私がどれだけサピオ的で、そして、ヤバい女なのか。そんなのは私とホテルで二人っきりにならないとわからないわ!笑

言葉責めを続けながら、壁際へのマゾを追いやる。手枷をつけ、さらに首輪をつけようとすると、『ああ…。首輪…。欲しかったやつです』と。そんなのわかって付けさせてあげようとしたのに。思わず声に出してしまうなんて野暮だわと思い、首輪が欲しいなら、鞭を10回耐えさせることに。最近作っていただいたばかりの鞭を試してみたかったのもあることだし、10回とは言わず何度でも。
マゾは首輪欲しさで20回耐えることができました。膝を床につき、全体力を消耗しぐったりしたマゾの首を首輪の内側に寄せ、ぐるっと一周巻きつける。ああ、そんなにも欲しかったのねえ、と首輪をキツく締め上げると、ぐったりしながらも嬉しそうなマゾ。

ただの黒にみえるけれど、ガンメタっぽい色。ラメのような艶があって本当に美しい。そして穂先がまだ硬い分、痛みもしっかり。

ぐったりしたマゾをベットへ寝かしつける。下にエネマグラを詰め、上には私のペニスを捩じ込み、上下の穴を同時責め。念願だった私のペニスを丹念に吸い込み、懸命にしゃぶりつく。初めての味でしょう。私の命令通り、高く大きな声で鳴くマゾ。言う事をちゃんと忠実に守るお前は可愛らしい。暖かい腹の上にのり、冷えた足先を温めさせてもらう。一生懸命喘ぐお前の口には開口器をねじ込み極限まで開かせる。虚しく喉奥から咽ぶしかない。もっと高く喘ぎなさい。そんな命令に必死に答える。閉じることのできない口に、私の唾液を流し込む。

もう、身体も脳も、出来上がったマゾ。お前の1番の弱点、胸の両側についた、用無し乳首。そこを軽く触ってみると、これまでになく、身体をビクつかせる。爪で摘んでみると、電気が走ったように身体を軽く跳ね上げさせ、甲高い声を上げる。まるで女の子のよう。本来、お前はたったこれだけの刺激で、お前は快楽に浸ることができるんだよ。自制できない欲望は、私の管理下に委ねてしまえば、探し求めていた刺激となって、お前の身体、脳もろとも満たしてゆく。これこそが。お前が何度も抜いても満たされず、求め続けてきた刺激だよ。手を止めずにそう伝えると、言葉にならないような喚き声で『ああ…!そ、…そうっなんですっ!』と言いながら。私の手の動きに合わせて、何度も何度も絶頂を迎えてしまうマゾ。イキ疲れたマゾは、はあはあ言いながら呼吸を整える。整ったタイミングで、一度動きを止めた私の手は、またゆっくりと動き出す。また息が乱れてしまうマゾ。もう、私の手の動きも、絶頂も止めることはできない。

最後、お前は甘えたように「もう、こわいんだもん」と泣き言とともに床に縮こまる。おい、お前はなにを求めているの?怖いだとかお前の感情なんぞ、私にとってお構いなし。「自分の足で立ちなさい」と叱りつけ、手を差し伸べ立たせる。絶対に甘えさせることはしないわ!

私たちが夢中になっているのはノーマルな快楽からいかに遠ざかり、誰も知り得ない悦びを見つけるかという旅。甘えなんて存在しない。きっと茨の道、いわば修行でしょう。その修行が、お前を脅かす性依存から逃れるための新しい特効薬になる、かも?しれない。もしくは新しい依存先になるかもしれない。けれど、ポジティブな依存であれば良いことだと思わない?私の支配から逃れることができない代わりに、1日に8回するような生活からは抜け出すことはできるでしょう。

人は本当に欲しいものを得るまでは、その願望はやまない。私自身そう思うことがたくさんある。誰かが管理している、そう思えるだけで耐えることが自然になり(ご褒美にもなるでしょうし)、彼の今の悩みは晴れるのかも、と思ってしまいました。もちろん、もう一生管理されないと無理!と、私とのSMにどっぷり浸かってしまうという、別の悩みは出てきてしまうかもしれません。その時はもう、SMの世界へようこそ、ですよね。喜んで彼を迎え入れます。
私の管理は、薬にもなり、毒にもなる。むしろ毒の方が強いかもしれないと自負しています。こんな解消方法は医学的に言えば誤りなのかもしれませんが、処方される薬で抑えこむ性欲を、私のSM的手法で克服できるのではないかと、そんな気がしています。

私のセッションは、痛み2割、支配8割。私の支配は、心のつながりを重視している。心のつながりは言葉じゃないと構築できない。お互いに、自分が放つ言葉を大事に。
と厳しいことを言いながらも、私は性善説を信じてやまない、快楽主義の人間。快楽主義だからこそ、快楽を極限まで高めるためのストッパー(“ちせい”)を持たねばならない。私が誰かのストッパーになり続けることができればいいなと、思う日々です。

最近気に入っている友人の手作りピアス。

楽しい時間をありがとう。

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